〒649-6246和歌山県岩出市吉田319-10
補聴器とは、音を大きくするだけの補助器具ではありません。
音とは、低い音から高い音まで混ざりあったもの。難聴と一口に言っても、低い音が聞こえにくい場合や高い音が聞こえにくい場合、全ての音が聞こえにくい場合などさまざまです。したがって、補聴器は患者さんそれぞれの難聴の度合いに合わせて調整することが第一となります。細かく補聴器を調整するために、当院では聴力検査の結果に合わせて調整を行っております。単純に音量を上げるだけでは音が響き不快に聞こえるため、静かなところで聞くのか、騒々しいところで聞くのかという環境に合わせて調整することもあります。
さらに現在の補聴器にはピーピーいうハウリングを防止する機能がありますので、不快を感じることも少なくなってきています。また、騒音を抑える機能、聞きたい音だけをとらえて聞く機能などもあり、補聴器を装用することで日ごろの音に関する不快がぐっと軽減されます。
当院の補聴器外来では、専門の知識を持つ補聴器外来スタッフが、患者さんにとって最も適した補聴器を患者さんと一緒に探します。それぞれの症状やご予算にもとづき、最適の補聴器が見つかるまでとことんおつきあいさせていただきます。和歌山の皆さまに補聴器をもっと身近に感じていただき、一人でも多くの「聞こえの悩み」が改善されるよう、誠心誠意対応いたします。
2回目のご来院では、耳鼻咽喉科診察後、補聴器外来で装用効果を確認します。初回に貸し出した補聴器が合わないようであれば、再度調整するか、または機種を変更しあらためて貸し出します。この工程を何度か繰り返し、患者さんが納得されたうえで、ご自身に最も合った補聴器をご購入いただきます。
補聴器は装着される方お一人お一人の症状に合ったものでなければなりません。それぞれの耳の状態を把握することなくして補聴器をお勧めすることは、本来ありえないことです。
したがって当院では、聴力検査や補聴器調整の前に丁寧な診察を行います。補聴器の耳栓を入れる外耳に耳垢が詰まっていないか、湿疹など病気はないか、鼓膜に穴が開いていないか、耳だれが出ていないかなどを細かく診察します。また、手術で聴力が改善する場合もあるので、補聴器を入れる前にご相談させていただくこともあります。
耳鳴りは難聴がある場合に、脳が過剰に補おうとした結果発生する音が原因の一つであると言われています。耳鳴りに対する治療として、大きな音を聞くと耳鳴りが消えたり、しばらく耳鳴りがおさまるマスキング療法が行われています。また、リラックスする音楽を聴く治療法も有効な場合があります。最近の補聴器にはマスキング療法やリラックスする音楽が組み込まれたものもあります。
当院では耳鳴りに対して効果のある補聴器を取り扱っております。また、耳鳴りの治療で用いられる補聴器は医療費控除の対象となります。
当院では、補聴器をご購入されたあとも継続的に診察を行っております。補聴器の耳栓が外耳を密封するため、外耳に皮膚炎がないか、耳垢がたまっていないか、聴力に変化がないか、継続的に耳鼻科診察を行います。
このように当院の補聴器外来では、耳鼻咽喉科担当医による丁寧な診察を行ったうえで、専門スタッフによる聴力検査と補聴器フィッティング、そしてご購入後のメンテナンスまで責任もって対応いたします。一見時間のかかる工程ではありますが、このシステムこそが、オーダーメイドの治療と装用にご期待いただく多くの患者さんが和歌山全域から当院にご来院下さる所以なのです。